パレードタイム!【テーマパーク・遊園地 エンタメレビュー】

テーマパークや遊園地のアトラクションやエンターテイメントの感想レビューを投稿していきます!パレードのように楽しい時間をお過ごしください!

【感想・レビュー】ミッキーのマジカルミュージックワールド

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新エリアがオープンしてから早くも1年が経ったということで!東京ディズニーランド202141日から新エリアのファンタジーランド・フォレストシアターにてスタートした新しいエンターテイメントの感想とレビューです!

 

【ショーの概要】

ミッキーマウスをはじめディズニーの仲間たちが、ダイナミックに変化するステージで音楽やダンスなどのライブパフォーマンスを繰り広げるオリジナルショー。

 

【場所 / 上演時間】

ファンタジーランド・フォレストシアター/25

 

【ジャンル別評価】

演出 4.3

音楽 3.5

物語 3.2

構成 4.4

おすすめ度は4.5です

 

東京ディズニーランド史上最大規模のステージショー

東京ディズニーランド初の完全屋内型シアターで行われるエンターテイメントです。201912月に終了したワンマンズドリームのような立ち位置で、様々なディズニー作品のキャラクターたちがとにかく大量に登場します。また、舞台装置が大変豪華で各シーンで特徴的な演出が楽しめるのも見どころです。

 

⚠️ここから先は一部ネタバレを含みます⚠️

 

【良かった点】

曲のアレンジが素晴らしい

劇中ではハクナマタタや哀れな人々など様々なディズニーの名曲たちが、今回のショーに合わせたアレンジ登場しますが、そのアレンジが素晴らしいです!特にハクナマタタの冒頭は続々するような感覚で舞台が開くと驚きの演出があり、観客からは歓声が上がりました。また、ひとりぼっちの晩餐会も舞台映えするミュージカルらしい曲調にアレンジされていてとても良かったです!また、曲の途中には不思議の国のアリスやメリーポピンズのワンフレーズが挿入され、音楽とともにキャラクターたちが登場する演出も楽しかったです。

 

最新技術を駆使した驚きの演出

近年多用されているプロジェクションマッピングを使った演出は全体的には控えめで、大掛かりな舞台装置が主になっていたことがとても良かったです。また、舞台が回転する盆を用いた演出が東京ディズニーリゾート目新しく感じました。特に、プリンセス3人のシーンではその回転とマッシュアップが融合して幻想的で楽しいシーンに仕上がっていました。また、個人的には、アースラの船とタコの足の演出は客席前方は特に迫力があり、素晴らしかったです。また、エンディングでのミニーの早着替えは一瞬の出来事で本当に魔法が起きているかと思い、理解が追いつきませんでした(笑)ほぼ毎シーンにそれぞれ違った見せ場があり、本当に飽きることなく25分間視覚的に楽しませてくれる演出ばかりでした。

 

特に好きなシーン

ショーの冒頭、ミッキーたちはオルゴールの中で迷子になっているかもしれない音楽を探すために巨大なオルゴールの中へと冒険に出かけます。ミッキーたちキャラクターの登場は客席横の扉から登場しそのまま階段を登ってステージへと上がります。私たちゲストとともに冒険に出かけるような演出はとてもワクワクさせてくれます。

 

【悪かった点】

メインテーマが耳に残らない

今回のショーのメインテーマは「イッツ・ユア・ソング」ミッキーたちが旅の中で見つけた音楽を一つにしたという曲です。この規模のエンターテイメントでは珍しく日本語歌詞になっています。しかし、個人的には英語歌詞を無理やり日本語にしたかのような不思議な違和感が残る曲になっているように感じます。その歌詞はとても素敵で、この作品でおそらく伝えたいであろうテーマ(次の項目で紹介します)が日本語で表現されているとは思うのですが、曲のインパクトに欠けてしまうのではないかと感じました。

 

ステージの回転が効果的に使われていない

ショーの序盤から巨大なオルゴールが回転するなど舞浜ではなかなか珍しい舞台装置ですが、そのほとんどが効果的に使われていないと感じました。冒頭で折角回転させたオルゴールは表裏同じようなデザインで回転した以外の驚きはなく、晩餐会のシーンは東京ディズニーシーのハーバーグリーティングのバージのようで、一方向から楽しむステージショーには不向きの造形だったのではないかと思います。フィナーレでも回転は使われていなかったと記憶しています(回転してたらごめんなさい💦)個人的にはプリンセスのシーンの回転が一番効果的に使われていたと感じました。

 

良くも悪くも東京らしい展開

これは良い点でもあり悪い点でもあるのですが、日本で大人気のキャラクターたちがメドレー形式で出演します。ひとりぼっちの晩餐会や君のようになりたい、ハクナマタタに星に願いをは今まで数多くのレギュラーショーで使われてきました。登場キャラクターに関しても同じく、パレードやショーのいわゆる常連組です。海外の同じ系統のショーではもう少し意外性のある組み合わせやキャラクターや曲が登場しますが、今回のショーはやはり各シーンに既視感があるのは否めません。

 

謎のストーリー

ディズニーのショーではお馴染みですが今回は特に疑問が残る物語になっていました。まず、ミッキーたちは音楽を持っていないとはどういうことでしょうか?ミッキーマウスマーチやミニーのユーフーは??お隣のクラブマウスビートではガンガンにミッキーマウスマーチを踊っているのに、このショーでは僕たちは曲を持っていない!と、ミッキーの台詞に説得力を感じませんでした。特に今回はそれぞれがもつ曲がテーマとなっているのでこの物語のオチは結構重要だと個人的には考えています。

 

【個人的な考察】

少し批判的になってしまいましたが、このショーはあくまでコロナ禍で出来る限りの形で上演しようと努力したショーであることを忘れては行けないと思っています。元の状態がどんなショーかわかりませんが、出演者同士のソーシャルディスタンスの確保やスモークや客席下りなどの演出カットが予想されます。本来のメッセージや演出が伝わっていないのではないかと思ったので個人的な考察をここでは記したいと思います。

 

このショーでのミッキーたちの役割

今回、ミッキーたちは僕たちゲストの代わりにステージで冒険を繰り広げているのだと思います。ゲスト自身が今までに聞いたことのあるディズニー作品の音楽の世界に迷い込み、様々なジャンルの音楽に触れていきます。今作は今まで以上に没入感の強い演出が多いです。舞台袖にも沢山の演者が降りてきます。しかし、本来であればシアターの構造的にも通路いっぱいに演者が来ることが可能な作りになっていると思うのでそのあたりの演出もより五感で体感できたのかなと思います。

 

イッツ・ユア・ソング

ショーの終盤、ミッキーたちは自分たちに音楽がないということに気づきます。これが悪かった点にも挙げた良くわからなかった部分なのですが、ミッキーが「僕たちはみんなまだ自分の歌を持っていない」と語ります。これは、私たちゲストを代表してミッキーが述べている台詞なのかなと感じました。それぞれの映画にその作品の冒険を代表するような曲があるが、私たちゲストはその曲を持っていません。だから、オルゴールは私たちに様々な世界を冒険させ、その思い出を歌としてゲストに持ち帰ってもらおうという趣旨なのだと思います。だからこそ、ミッキーたちが一度は今回の旅で出会った様々な曲を一つに合わせても失敗してしまいます。私たちゲストが手拍子をしたり一緒に歌ったりすることを通じて、初めてイッツユアソングは完成するのです。よく曲を聴くとエンディングは手拍子がわかりやすく入っていたり、舞台下にもダンサーが降りてきます。会場一体となって作り上げるエンディングこそ、このショーのテーマの集大成と言えるのではないかと感じました。しかし、コロナによる演出変更のせいか、積極的にゲストに参加を促したり客席を使うことができません。そう考えれば今の形に落ち着いたのも仕方ないのかもしれないと感じました。

 

【総括】

昨今プロジェクションマッピングなどが多用され、大掛かりな舞台装置が減り、出演者やライブキャラクターの数も減少の傾向にありましたが、マジカルミュージックワールドは、それらを惜しみなく使い、9回公演を可能にするような構成にして多くのゲストにディズニーの王道の曲とキャラクターたちを届けようとしたという非常に優等生なショーであると感じました。リピートしたいかと言われるとそれは少し困ってしまいますが、初めて東京ディズニーランドを訪れるゲストにぜひお勧めしたい素晴らしいエンターテイメントだと思います。